作:大村 仁望 演出:谷 澄希子
◎1月8日 14:00(1時間45分)下北沢OFF・OFFシアター
女性3人のユニット。 カフェ公演では恋愛を絡めたコントっぽい、作品を1回拝見してました。 カフェ公演だからキャパも少ないので完売してて、その後観てなかったのですが 初めての劇場公演が今回の第6回公演になるようです。 会場時間に行ったら階段に人がかなり並んでいて、劇場に入って回りを見ると 普段の観劇してる雰囲気となんか違い、凄いナイスミドルな男性ばっかり! 女子が本当に少ない・・・、終盤にイケメン男性がチラホラ来てましたが タイプは違う3人女性のユニットだから、カフェ公演でファン増殖させたのかな? セットには布団が3組、しかも頭を舞台に向けて既に寝ている感じ。 定位置につくと、案の定舞台の低い位置はホボ見えない状態で せめて頭の位置を舞台奥にしてくれたら見易いなぁと思いつつ 開場には架空?のラジオ番組が流れるなか、ゆったりと舞台が始まりました。
STORY
表参道付近の賃貸マンションの1室に住む3姉妹の部屋が舞台。
長女が学生時代に憧れていたハセガワの持つマンションに同居してまもない3人。
浪費家な三女の提案で、次女が3年同棲した男と別れたタイミングで同居した様子。
12月のある朝、ハセガワに遭遇する事を考えて化粧をしてゴミ出しに行く長女。
血相を変えて戻ってくると、三女が仕舞い込んでいた封筒を発見。
東京五輪に伴いマンション解体する事になり、マンションを1月末へ退去する事。
まだ入居して数か月なのに・・・・、
クリスマス・年末が近い時期に飛び込んだ引っ越し命令から騒動が始まる。
<主な登場人物>
伊智子:飯坂 泰子さん・・・長女、医者でしっかり者。浮いた話もない堅物
芙 実:大村 仁望さん・・・次女、臨時の保険医で保健室登校の生徒が心配。
紗 苗:川村 美喜さん・・・三女、アパレル勤務だが遊び人で夜のバイト兼務。
岡 崎:佐藤 正和さん・・・紗苗が気になってる近所のコンビニの中年店長。
・
久しぶりの休みに、家の片付けを強いられる芙実。
紗苗が帰って来ると、伊智子の荷物にあるSEX特集の雑誌や心のポエムを発見
同様する2人の所に伊智子が帰ってきたりして、慌てる妹達。
そんな中、紗苗の衣装から夜のバイトを知った伊智子。
芙実には話していたと言い訳する伊智子だが、普段のフラフラした生活態度も含め
母親にようの説教じみた話を始めると、紗苗は知り合いからの電話を取って
そのまま渋谷の街へ遊びに出て帰って来ないのだった。
翌日は、姉妹3人。大好きなプリン3個×3人が買ってきて直ぐに仲直り。
一方、伊智子は時々かかってくる電話に恐縮しながら呼び出され
妹達には「急患の連絡が来た」と嘘をついて出て行ったり。
芙実の所にも、保健室登校の生徒から年末に従い頻繁に電話がかかるようになる。
・
姉2人が出かけたまま戻らない夜。
近所のBARでコンビニの店長を偶然出会い、意気投合して泥酔したらしい。
紗苗を肩車して送って来た店長:岡崎は帰ろうと遠慮しながらも紗苗の勢いに押され
お茶をご馳走になっていったら、偶然に押し倒されてそのままゲロゲロ・・・・・
仕方なくシャワーを借りて、服を乾かすまで芙実のガウンを着て戻る岡崎。
紗苗は酔ったまま寝てしまい、所在なげにいる岡崎。
伊智子が長谷川からネズミ講で買わされた「高級布団」の魔力に囚われ寝てしまう。
翌朝、伊智子・芙実が帰って来ると昨夜の事は覚えてないまま起きる紗苗。
伊智子に布団の不審人物に警察・消防・救急を呼び出しながら
フライパンと十手で賊を撃退する伊智子・芙実だったが事情をしって平謝り。
いい機会だからと気を効かせて出かける2人の姉。
岡崎と真面目に話を始めた紗苗だったが、
誠実な岡崎は死別した前妻が1番だけど、良かったら何でも相談に乗ると言う
一番になれない部分に、少しだけ悩む紗苗でした。
・
そして、喪服姿の芙実。
時々不在になったりしていた、例の生徒が亡くなったらしい。
臨時職員から正職員になろうと頑張っていた芙実だが、鞄に退職願を忍ばせる。
紗苗の洗濯方法に文句を言い出す芙実、
退職願いを見つけて、芙実が逃げる事を反対する紗苗。
お互い別々の文句を言い出すのだが、伊智子は2人に割って入ると
「鍋しよう」と無理矢理鍋の支度を始める。
冷蔵庫の余もので作った鍋の具を巡って、伊智子と紗苗の下らないやりとり
芙実にふいに笑顔が戻ると
出会い系で合ってた大学時代の教授と、経験を突然告白(ブッコミ)する伊智子。
鍋をかこみながら、それぞれ別々に暮らすのを惜しむように鍋をツツクのでした。
・
引っ越しの朝。
実家に戻る事を決めた伊智子。
元カレに引っ越しの手伝いをしてもらう芙実。
そして、近くに引っ越す事に決めた紗苗。(岡崎も手伝いに来る)
短い共同生活を機転に、晴れ晴れとした新しい関係・生活が始まるのでした。
唯一拝見したカフェ公演同様、ちょっと可笑しくもやんわりした感じの公演。 客演の佐藤さんが、凄い情けなくも優しそうなオジサンなので そんな人が劇中に現れて、若い娘に好意を寄せられるなんて客相にも的中 していたんじゃないでしょうか?些細な所では笑が起きなかったけれど、 佐藤さんの所と、役者さんの自虐にも近い部分で笑いが起きてた感じで お客さんも優しい人ばかりなんだなぁと思いました。 初の劇場公演としては成功しているんじゃないかと、お客さんも沢山だしね。 ・ 3人の姉妹も違和感なく、次女・三女の反応は息がピッタリでした。 役割は意外性はないけれど、ハッキリしていて解り易のは良いトコだと思います。 感情的な場面での緊張感が少し足りない場面がけっこう合ったかなぁ。 ・ 物語としては、年末年始にまたがる話だし、メインの紗苗の話が優しく着地 したので、新年1回目で観るにはよい話だったなと、丁度良い感じでした。 (多分、来週はもう酷く痛い話を観劇しそうなので) 勿体ないのが、3姉妹それぞれに問題を持たせて、それぞれ突然感がある 展開があって、無理矢理3人とも描くのは詰め込み過ぎ感はありました。 伊智子の電話や雑誌はポエムで伏線も張っているし、 芙実も手紙から電話になったり、探しに出て夜も帰らなかったりしてるけど ちょっと足りないかなぁ、実際は嫌な事って突然、気が付かない内に進むし 起こるものだから、生徒は突然亡くなるし、姉も抱かれたりするけれど 辞表を出す位後悔するほど、芙実が関わってた感じも、亡くなるまで逼迫 した状況も出てなくて、学校からの緊急会議の連絡からだから 芙実はそれほど頼られてた訳じゃないし、見抜けたかった事び自分が嫌に なるって事はあるけど、具体的な感情の台詞もなかったしなぁ ・ それと、最後「鍋」で元気を取り戻す姉妹なんだけど、冒頭とか映像でも 鍋を出しておいて欲しかったかな、タイトルも鍋が入ってるし、最後には 使われてるのであれば、やっぱり鍋って事に繋げるのにもあればなと 開場から3姉妹は布団に入って寝てたんですけど、ラジオが流れるだけで 特に最初から寝てる意味はあんまりない気する。 頭を客席側にしてるので、後ろの席から見えなくて舞台奥側に寝てれば 寝相でも寝言でも観えるんだけどなぁ。 どうせなら、開演と同時に鍋囲んでる3人が居る位の方がイイかも? ・ 優し目に書いたつもりだけど、結構厳しく書いちゃったみたいですが 終演後のアフタートークとか、物販とか、劇中のコミカルな演出とか サービス精神は高いので、人気は上がっていくかもしれませんね。